法テラスは本当に無料?無料相談はどこまでできる?弁護士が徹底解説

伊澤文平

監修者伊澤文平弁護士

ベンゴシNOW法律事務所

公開日:2024.01.30

|

最終更新日:2024.02.08

法テラスは本当に無料?無料相談はどこまでできる?弁護士が徹底解説

法テラスは「無料」と聞いたけど、実はお金を請求されるのではないか?

弁護士に無料相談できるといっても「どこまで」やってもらえるの?

このような疑問から、法テラスについて調べているのではないでしょうか。

結論、法律相談は30分×3回(合計90分)の範囲で無料になりますが、依頼する際の弁護士費用は無料になりません。

割安ではあるものの、弁護士費用はあくまでも有料なのです。

しかも、経済的に余裕のない方のみ利用できるなどの制限もあります。

一方で、法テラスで弁護士に相談・依頼する場合には、民間のルートでは得られない圧倒的なメリットがたくさんあります。

そこで本記事では、法テラスの無料相談でできることや、相談後に弁護士に依頼する際のメリット、利用条件に至るまで、法テラスをお得に使い倒すための情報を網羅的に解説します。

【この記事でわかること】

  • 法テラスで「無料」になるのは法律相談だけ!それ以外は有料

  • 無料相談は「どこまで」できるか?30分×3回(合計90分)まで無料

  • 法テラスは個人(⇔法人)であれば「誰でも」無料!

  • 有料とはいえ弁護士費用が相場の約50〜70%OFFの価格になる

  • 弁護士に依頼する際の初期費用が0円になる「立替払いサービス」も利用できる

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1.法テラスは本当に無料?無料でできること・できないこと

法テラスとは

「法テラス」とは、簡単にいうと経済的に余裕のない方でも法的サービスを無料ないし割安な価格で受けられるようにするために国が設立した総合案内所です。

法テラスを使って無料になるのは、弁護士への「法律相談」だけです。

無料の範囲は、あなたが弁護士に対面もしくは電話でお悩みを相談し、それに対し弁護士が口頭で回答をくれるところまでです。

「法律相談」以外は、原則として有料であることをまず覚えてください。

その上で、法テラスで使えるお得な4つのサービスを詳しく紹介していきます。

あなたのニーズに合うサービスを使いましょう。

  • 無料相談:30分×3回(合計90分)

  • 簡単な書面作成:1通2,200円【税込】

  • 代理人として活動:弁護士費用が約50%OFF

  • 裁判書類の作成:弁護士費用が約70%OFF

1)無料相談:30分×3回(合計90分)

弁護士相手に無料で1回30分の法律相談を3回まで(合計90分)できる法律相談援助」のサービスがあります。

法律相談料の相場が30分5,500円なことを踏まえると、法テラスの無料法律相談がどれだけお得なのかわかるでしょう。

2)簡単な書面作成:1通2,200円【税込】

簡単な書面なら弁護士に安価で作成を依頼できる「簡易援助」のサービスがあります。

無料ではありませんが、1通2,200円で作成してもらえます。

簡易援助で作成してもらえる書面は、内容証明や契約書の「原案」のように、30分の相談時間内で作成できるいわゆる「一枚物」の書面に限られます。

また、弁護士の氏名を記載することはできない等の制限があることに注意が必要です。

簡易援助で作成できる書面(原案)の具体例が気になる方は、以下を合わせてご覧ください。

3)代理人として活動:弁護士費用が約50%OFF

弁護士があなたの代理人として交渉や裁判をしてくれる「代理援助」のサービスがあります。

代理人としての活動を依頼する際の弁護士費用が相場の約50%OFFになるのが特徴です。

弁護士業界から批判の声が出るくらい「安く」弁護士に依頼できます。

なお、具体的に弁護士費用がいくらなのか気になる方は、以下の記事をあわせてご覧ください。

4)裁判書類の作成:弁護士費用が約70%OFF

裁判所へ提出する書面を弁護士に作成してもらえる「書類作成援助」のサービスもあります。

これは素人では作成が難しい訴状や答弁書などの裁判書面を相場の約70%OFFの価格で作成するものです※(※参照:法テラス「民事法律扶助のしおり」P7)

裁判に出頭したり交渉するのは、あくまでも弁護士ではなくあなたです。

そういった労力を弁護士が払わない代わりに、代理援助よりもさらに安い価格で、弁護士が裁判書面を作成してくれます。

もっとも、実務では書類作成援助はあまり使われず、代理援助の方が多く使われています。

以上のとおり、法テラスで無料になるのはあくまでも法律相談だけですが、それ以外のサービスも非常にお得なことがわかります。

2法テラスの無料相談は「誰が」「どこまで」できるのか

法テラスの無料相談は誰がどこまでできる?

1)無料相談を利用できる人

日本に住む「個人」であれば、誰でも法テラスの無料相談を利用できます

外国人であっても、住所が日本国内にあり適法に在留している方であれば、同様に利用できます。

他方で、法人や組合などの「団体」は無料相談できません。

なぜなら、法テラスはあくまでも経済的に余裕のない「個人」に法的サービスを届けるための施設だからです。

2)無料相談で聞けること

逮捕されたなどの「刑事事件」以外のトラブルであれば何でも弁護士に無料で相談できます。

弁護士に相談できるお悩みの種類を例示しておきます。

【無料相談で聞けるお悩みの一例】

  • 借金トラブル

  • 離婚・男女問題

  • 相続・遺言

  • 労働問題

  • 消費者被害

  • 交通事故

  • 近隣トラブル

  • 成年後見など

ここに列挙したもの以外でも広く相談できます。

「こんなこと相談してもいいのかな」と迷わず、気兼ねなく相談しましょう。

3)無料相談の時間と回数

法テラスの無料相談は、「同じお悩み」につき30分×3回(合計90分)までできます。

ここで注意すべきポイントは二つあります。

まずこの回数制限は、お悩みの種類ごとにカウントされることです。

同じお悩みについて3回を超えて相談できませんが、異なるお悩みを相談する場合には、3回のカウントはリセットされます。

例えば、離婚について3回相談した後、改めて借金について3回相談することができるのです。

次に、一日に相談できる回数は原則として1回までという制限があります。

法テラスの施設へ行き、その日に連続して2回・3回と相談できるわけではないのです。

2回目以降は、日を改めての相談となります。

4)無料相談の方法

法テラスの無料相談は、対面もしくは電話で行います。

「対面相談」は、法テラスの施設へ訪問し、面と向かって弁護士に相談するオーソドックスな方法です。

他方「電話相談」は、事前予約した日時に法テラス職員からあなたの携帯に電話がかかってきます。

そこから弁護士につないでもらい、電話口で相談する方法です。

電話相談の方がスピーディーに相談できるため、法テラスの施設へ行く時間がない方などにはおすすめです。

なお、法テラスの施設まで電車等を利用して往復3時間以上かかる場所にお住まいの場合等には、出張相談も利用できます。

3.法テラスで弁護士に「依頼」する際の2つのメリット

法テラスに依頼する際の2つのメリット

法律相談を終え、弁護士に解決を「依頼」したいと考える方もいるでしょう。

その場合、弁護士費用が50%〜70%OFFになることは前述のとおりです。

それ以外にも、法テラスを通せば以下2つのメリットを受けられます。

  • 立替え払いをしてくれる:初期費用0円

  • 分割払い:毎月5,000円〜1万円の返済

1)立替え払いをしてくれる:初期費用0円

弁護士費用が安くなるといっても、数万〜数十万円もの現金を用意するのは苦しいことが多いでしょう。

そこで、法テラスを通せば、弁護士費用(着手金・実費)をあなたに代わり法テラスが立て替え払いしてくれます。

その結果、弁護士に依頼する時点で、あなたは1円も支払う必要はありません。

初期費用0円で弁護士に動いてもらうことができるのです。

2)分割払い:毎月5,000円〜1万円の返済

もっとも、法テラスはボランティア団体ではありません。

立替え払いしてもらった分の弁護士費用について、あなたは法テラスに返済する必要があります。

この際の返済金額が一括ではなく、毎月5,000円または1万円の分割払いになる点が法テラスから受けられるメリットになります。

【法テラスへの返済条件】

返済条件

詳細

一括/分割

月々の分割払い

返済金額

月々5,000円または1万円

利息

なし

手数料

なし

返済開始時期

契約した2月後時点〜

返済方法

ゆうちょ銀行の口座引き落とし

引落し日

毎月15日/25日/27日

返済期間

事件終了から3年以内

4.弁護士費用まで無料にする方法(免除)

j法テラスで弁護士費用を無料にする方法(免除)

分割払いになるのはよいけど、結局、弁護士費用の返済が必要なことにガッカリした方もいるでしょう。

ですが「免除」という制度を使えれば、返済が必要なはずの弁護士費用まで実質無料にできます。

以下にあてはまる方は、特別に弁護士費用まで無料(免除)になります。

  • 生活保護を受けている方

  • 生活保護者と同様の経済状況にある方

まず、生活保護を受けている方であれば、以下の書類を法テラスへ提出することで弁護士費用が免除されます。

【生活保護受給者の免除申請書類】

  • 償還免除申請書

  • 生活保護受給証明書(直近3カ月以内)

→「償還免除申請書」はこちら

次に、生活保護受給者ではないものの、それに匹敵するぐらい経済的に苦しいことを証明できる方も、厳しい条件のもとで弁護士費用が免除されます。

具体的な免除の条件について詳しく知りたい方は、以下の記事をあわせてご覧ください。

5.法テラスのデメリット

法テラスのデメリット

メリットだらけに見える法テラスですが、3つのデメリットがあります。

  • 弁護士を選べない

  • 経済的に苦しい方のみ利用できる

  • 弁護士が動くまで時間がかかる

1)弁護士を選べない

法テラスの施設で弁護士に無料相談や依頼をする際、担当の弁護士を選ぶことができません

その結果、担当する弁護士との相性が悪かったとしても、あなたに弁護士を選ぶ権利は原則としてないのです。

「離婚に強い弁護士」など、その分野に専門性のある弁護士を指名することもできません。

無料もしくは極めて割安な価格で弁護士に動いてもらえるため、仕方のない制約です。

もっとも、後で説明する「持ち込み方式」を利用すれば、弁護士を選ぶことができるので、この点が気になる方はご活用ください。

2)経済的に苦しい方のみ利用できる

法テラスは、経済的に苦しいことを示す「資力基準」などの一定の条件を満たす方のみが利用できます

この基準を満たせない、経済的にある程度余裕のある方は、法テラスを利用できないという点がデメリットです。

3)弁護士が動くまで時間がかかる

法テラスの無料相談は予約制であるところ、予約から相談当日までは、1週間〜2週間以上は最低でもかかります

また、相談後に弁護士へ依頼する際には書類審査があり、この審査でさらに2週間〜1ヶ月ほど待たされます

そのため「今すぐ相談したい」という方にとっては、法テラスは利用しにくいといえるでしょう。

反対に、時間をかけてもいいから安さを追求したい方は、このデメリットは気にせず、積極的に利用しましょう。

6.法テラスは役に立たない?法テラスの評判・口コミ

法テラスは役に立たない?法テラスの評判・口コミ

法テラスをネットで調べていると「役に立たない」「最悪」などのネガティブな評判を目にします。

メリットも多い法テラスですが、実際の評判・口コミはどうなのでしょうか。

結論、良い口コミ・悪い口コミが半分半分くらいです。

Googleの5段階の星評価でいえば、3.0〜3.3に収まっているイメージです。

例えば、「法テラス東京」の評判は

Google評価:3.1☆☆☆(121)

です(2024/01/30時点)。

具体的な良い口コミから見てみましょう。

親切、丁寧、相談無料で良かったです。またお願いしたいと思いました。

引用元:Googleの口コミ

余り待たされる事無くスムーズに面談をして頂きました

とても親切で親身に成って聞いて頂き本当に

この先心強いです

引用元:Googleの口コミ

このような良い口コミが散見される一方で、以下のような悪い口コミもあります。

少額だから訴訟したくないとの事。

やる気のない弁護士しかいない。いみがない。

引用元:Googleの口コミ

予め概ね話してから要予約で相談に行くのにも関わらず、全く専門外の弁護士を用意されたことがあった。

引用元:Googleの口コミ

法テラスの施設で相談する場合、弁護士を選べません。

その結果、やる気が感じられない方や専門外の弁護士が担当することもあります。

相談者から見れば、どうしても「当たりハズレ」があるのは否めません

この点が心配な方は、後で説明する「持ち込み方式」を使いましょう。

弁護士を選ぶことができ、かつ、無料相談もできるためおすすめです。

最後に、法テラスの実態に対し中立で建設的な口コミがありましたので、掲載しておきます。

場合によってはタダの場合もあれば、タダだと断る弁護士もあれば、無償でも法テラス経由で報酬が得られるから喜んで引き受ける事務所もある。

全ては相談案件にもよるし担当弁護士にもよるから、ウダウダ考えて悩んだり迷って毎日辛い思いをするならダメ元で予約して専門的意見を聞くだけでもタメになれば気分的にもスッキリ楽になるからオススメ!

電話対応も実際の受付も感じがよく明るい役所の窓口みたいで優しく丁寧に応じるから安心して気楽に相談に行くと良い。

引用元:Googleの口コミ

法テラスの評判・口コミについてさらに踏み込んで知りたい方は、こちらの記事をあわせてご覧ください。

7.法テラスはこんな人におすすめ!

法テラスはこんな人におすすめ!

以上を踏まえ、仮にあなたが生活保護受給者であれば、実質0円で相談から依頼までできるため、法テラスを利用しない手はないでしょう。

これに対し、生活保護受給者でなくとも、経済的に余裕のない以下の方には、法テラスをおすすめできます。

  • 時間をかけて相談し、丁寧にアドバイスをもらいたい

  • 少しでも相談料・弁護士費用を節約したい

  • 弁護士の質より安さを重視する方

30分の相談を3回(合計90分)までできる無料の相談先は、法テラス以外ほぼありません。

弁護士の質は置いといても、じっくりと話をする時間があるため、丁寧にアドバイスをもらいたい方には最適です。

何より、相談料が無料であるほか、弁護士費用が約50%OFF〜になって初期費用も0円になるのは圧倒的な魅力です。

もっとも、法テラスで担当する弁護士には当たりハズレがあります。

弁護士との相性や専門性にこだわりたい方には、法テラスは最適な相談先とはいえません。

持ち込み方式を通じて法テラスの制度を使うのをおすすめします。

8.法テラスの利用条件

法テラスは本当に無料?3つの利用条件

以下の条件を満たす方のみが法テラスによる無料相談などのサービスを利用できます。

  • 資力基準

  • 民事法律扶助に適すること

  • 勝訴の見込み ※

※なお「勝訴の見込み」は、無料相談を利用する際には不要です。

1)資力基準

「資力基準」とは、あなたと配偶者の手取り収入および資産の合計が一定の基準を下回っているかを確認するための条件です。

基準額を下回っている場合にのみ「経済的に余裕がない」として、法テラスを利用できます。

下回るべき基準額は、お住まいの地域、同居する家族の人数や家賃負担をしているか等により異なります。

【資力基準】

​​東京23区

同居の家族

手取り収入

家賃or住宅ローン

の負担がない場合

手取り収入

家賃or住宅ローン

の負担がある場合

資産要件(預金など)

単身者

20万200円以下

25万3,200円以下

180万円以下

2人家族

27万6,100円以下

34万4,100円以下

250万円以下

3人家族

29万9,200円以下

38万4,200円以下

270万円以下

4人家族

32万8,900円以下

42万900円以下

300万円以下

​​東京23区以外の「生活保護の一級地」

同居の家族

手取り収入

家賃or住宅ローン

の負担がない場合

手取り収入

家賃or住宅ローン

の負担がある場合

資産要件(預金など)

単身者

20万200円以下

24万1,200円以下

180万円以下

2人家族

27万6,100円以下

32万9,100円以下

250万円以下

3人家族

29万9,200円以下

36万5,200円以下

270万円以下

4人家族

32万8,900円以下

39万9,900円以下

300万円以下

上記以外の地区

同居の家族

手取り収入

家賃or住宅ローン

の負担がない場合

手取り収入

家賃or住宅ローン

の負担がある場合

資産要件(預金など)

単身者

18万2000円以下

23万3,000円以下

180万円以下

2人家族

25万1000円以下

30万4,000円以下

250万円以下

3人家族

27万2000円以下

33万8,000円以下

270万円以下

4人家族

29万9000円以下

37万円以下

300万円以下

手取り収入と資産が表の金額以下であれば、法テラスを利用できます。

資力基準その他の利用条件を詳しく知りたい方は、こちらの記事をあわせてご覧ください。

2)民事法律扶助に適すること

二つ目の条件として、法テラスを利用する目的が「民事法律扶助の趣旨」に合致していることが必要です。

あなたの相談目的が、弁護士を使った相手への単なる嫌がらせや宣伝目的「のみ」の場合に法テラスの利用を認めない趣旨です。

そのため、嫌がらせ目的があっても、同時に権利を実現するという正当な目的を持っていれば、この条件は満たします。

以上2つの条件を満たすことで、法テラスの「無料相談」は利用できます

これに対し、相談後に弁護士に依頼し、弁護士費用の立替え払いも利用したい場合、次の「勝訴の見込み」まで満たす必要があります。

3)勝訴の見込み

「勝訴の見込み」とは、弁護士による示談や裁判などを通じて紛争解決の見込みがあることです。

全く根拠のないことに、税金で運営されている法テラスを動かすわけにもいかないからです。

勝訴できる確信は不要で、勝訴の見込みが「ある程度」あればこの条件はクリアできます。

9.法テラスの利用審査

法テラスの利用審査

法テラスを利用する際、利用条件を満たしているかを確認するための審査があります。

無料相談のみ利用する場合と、相談後に弁護士へ依頼し、その費用の立替え払いまでお願いする場合とでは、審査のやり方・難易度が違います。

1)無料相談のみ利用する場合│口頭審査

法テラスで無料相談をするだけなら、審査はカンタンです。

電話予約する際に、法テラス職員から「電話口で」利用条件を満たしているのかを確認されます。

その場で収入や資産額などを伝え、条件をクリアしていれば、無料相談のための日程調整をしてくれます。

2)代理援助・立替え払いを利用する場合│書類審査

これに対し、相談後に、弁護士へ依頼して立て替え払いを利用する段階では、3つの利用条件を満たしているかについて書類審査を受けます。

必要書類としては、(i)申込者等の直近2か月分の給与明細および直近の賞与明細、生活保護受給証明や非課税証明などの「収入を証明する資料」と、(ⅱ)世帯全員の記載のある「住民票」(本籍、筆頭者及び続柄の記載あり、マイナンバーの記載なし )、 (ⅲ)分割返済に使う「銀行口座に関する資料」です。

これ以外にも、あなたの働き方(例:正社員、生活保護者)や事件の性質に応じた書類(例:離婚事件では戸籍謄本)が必要になります。

【必要書類の例】

書類の種類

提出が必要な人

備考

資力を証明する書類

収入がある人

具体例

給与明細・賞与明細

源泉徴収票

課税証明書or非課税証明

確定申告書の写し

生活保護受給証明書

生活保護受給者

援助申込みから3ヵ月

以内に発行されたもの

世帯全員の住民票の写し

全員

本籍、筆頭者及び続柄の

記載のあるもの

※マイナンバーの記載がないもの

必要書類や審査について詳しく知りたい方は、以下の記事をあわせてご覧ください。

10.法テラスの無料相談をするまでの流れ・予約方法

法テラスの無料相談をするまでの流れ・予約方法

法テラスに魅力を感じ無料相談を希望する場合、以下いずれかの方法で法テラスを利用できます。

  • 法テラスの施設で相談する

  • 法テラス契約弁護士の事務所へ直接相談する(持ち込み方式)

予約までの流れ・概要のみ解説しますので、詳しく知りたい方は、以下の記事をあわせてご覧ください。

1)法テラスの施設で相談する方法

  • 法テラスサポートダイヤル(0570-078374)または「お近くの法テラス」記載の最寄りの法テラスへ電話する

  • 専門オペレーターから電話口での審査を受ける

  • 審査に通ればその場で日程調整をする

  • 予約した日時に法テラスの施設へ行き相談または電話相談する

相談当日は、指定された法テラスの施設に10分前には到着してください。

受付で「援助申込書」という申込書を書かされるため、その時間を確保するためです。

電話相談の場合、予約した時間帯に法テラスから電話がきます。

定刻にすぐに電話へ出れる体制を整えておきましょう。

2)持ち込み方式

持ち込み方式とは、法テラスの施設ではなく、法テラス契約弁護士の事務所で無料相談する方法です。

法テラスへの利用申込は、あなたではなくその弁護士が代わりに行います。

法テラス希望案件を正規ルート以外から「持ち込む」という意味で、持ち込み方式と呼ばれています。

持ち込み方式では、弁護士を選べるのに、無料相談をはじめとした法テラスのサービスをすべて使えることが大きなメリットです。

弁護士選びにこだわりたい方には、持ち込み方式がおすすめです。

【持ち込み方式の流れ】

  • 法テラス契約弁護士名簿またはひまわりサーチから弁護士を探す

  • 法テラス契約弁護士の事務所へ電話する

  • 法テラスを利用したい旨伝え弁護士からの了承を得る

  • 了承を得たらその場で日程調整をする

  • 予約した日時に弁護士事務所へ行き相談する

持ち込み方式では、「法テラス契約弁護士名簿」という法テラスと提携した弁護士が記載されたリストから弁護士を探します。

例えば、神奈川なら「法テラス神奈川契約弁護士名簿」が法テラスのサイトに掲載されています。

もっとも、東京・大阪など、契約弁護士名簿がない地域もあります。

その場合には、「ひまわりサーチ」という弁護士が網羅された検索サイトから、法テラス契約弁護士を探せます。

あなたの家から通いやすく、専門性のある弁護士を選ぶのがよいでしょう。

11.法テラスの無料相談を有効活用するための注意点

法テラスの無料相談を有効活用するための注意点

法テラスでの無料相談は、一回につき30分と時間が限られています。

これは持ち込み方式でも同じです。

当日の相談時間を有効活用するためにも、以下の事前の準備をしておきましょう。

  • 相談の背景を時系列にまとめ質問をしぼる

  • 援助申込書を事前に記入する

なお、法テラス含め、広く弁護士に無料相談する際の注意点について詳しく解説した記事がありますので、あわせてご覧ください。

1)相談の背景を時系列にまとめ質問をしぼる

まず、相談の背景を時系列にまとめてください。

「いつ、誰が、どこで、何をどのようにしたのか」という視点で背景事情を整理します。

「証拠」はあるか?という視点も大事で、ある場合には当日持参しましょう。

また、質問したいことはたくさんあるでしょうが、質問数は3〜4つほどにしぼってください。

これらを整理する上で便利な「弁護士相談時系列シート」は以下でダウンロードできます。

ご活用ください。

2)「援助申込書」を事前に記入する

援助申込書」とは、法テラスの無料相談を利用する場合に必要な申込書です。

持ち込み方式では事前の記入は不要ですが、法テラスの施設で相談する場合、受付で必ず書かされます。

相談当日、法テラスの施設に到着してから書いても問題はありませんが、事前に印刷して記入しておくことで、当日焦らないで済みます

→「援助申込書」はこちら

援助申込書には、名前、住所、生年月日、職業などの個人情報のほか、収入や1ヶ月当たりの支出額など、当日その場で記入するのが難しい項目があります。

わかる範囲で埋めておき、不明点は当日受付の方に聞いて埋めれば問題ありません。

12.おすすめの弁護士への無料相談窓口3選

おすすめの弁護士への無料相談窓口3選

法テラス以外にも弁護士に無料相談できる場所はいくつかあります。

その中でもおすすめの無料相談窓口3選をご紹介します。

  • 市役所(区役所)の無料相談

  • 弁護士会の無料相談

  • 民間の法律事務所

法テラスの利用条件を満たさない方や、満たす方でも窓口ごとの特徴を見て自分に合う相談先があれば、そちらで相談しましょう。

【3つの無料相談窓口の選び方】

  • 気軽に相談したい→「市役所

  • 専門性のある弁護士に相談したい→「弁護士会

  • 丁寧に対応してもらいたい→「民間の法律事務所

1)市役所(区役所)の無料相談

市役所(区役所)での弁護士への無料相談

「市役所(区役所)」では、市民(区民)に向けた弁護士による無料法律相談の窓口を設けています。

地域差はありますが、市役所(区役所)での無料相談の特徴は、以下のとおりです。

  • 利用条件がない

  • 一回の相談時間は20分〜30分

  • 年1回しか相談できない

法テラスと異なり利用条件がなく、市民(区民)であれば誰でも相談できるのが最大のメリットです。

しかも、比較的行き慣れた場所でしょうから、気軽に利用できる点も魅力です。

ただし、相談時間が法テラスと比べてやや短く、年1回しかできないという制限があるのがデメリットです。

市役所(区役所)は、法テラスや弁護士事務所へ行くのが億劫で、とりあえず一旦弁護士に話を聞いてみたいというライトユーザーにおすすめの相談窓口です。

2)弁護士会での無料相談

弁護士会での無料法律相談

弁護士会が運営し、全国展開している法律相談センターでは、無料相談の窓口を広く提供しています。

「弁護士会」とは、日本で活動する弁護士全員が加入する団体で、「福岡県弁護士会」のように都道府県単位で配置されています。

弁護士会の無料相談は、地域ごとにかなり差がありますが、おおむね以下の特徴があります。

  • 専門性の高い弁護士が対応してくれる

  • その代わり無料で相談できる内容は一部のみ

  • 電話相談であれば広く無料相談できる

「離婚に強い弁護士」のように、各地域の弁護士会では、お悩みごとに専門性のある弁護士が相談にのってくれます

専門性の高い弁護士が対応してくれるため、相談は原則として有料です。

一部のお悩みに限定して、無料相談できる仕組みになっています。

この点は、完全無料の法テラスや市役所との大きな違いです。

とはいえ、弁護士の労力が比較的少なくて済む「電話相談」の場合には、多くのお悩みについて無料相談できます。

具体的にどのお悩み・相談方法であれば無料かについては、お住まいの地域にある弁護士会のホームページをご覧ください。

以上を踏まえ、相談できるお悩みは限定されるものの、弁護士の専門性にこだわりたい方には、弁護士会の無料相談をおすすめします。

3)民間の法律事務所での無料相談

民間の法律事務所での無料法律相談

「民間の法律事務所」でも、弁護士への無料相談サービスを提供しています。

無料相談を受け付けている事務所はまだ少数ですが、その特徴は以下のとおりです。

  • 初回相談に限り無料

  • 相談時間は30分〜60分

  • LINE・ビデオ通話などの方法でも相談できる 

初めての相談に限り無料という事務所がほとんどです。

1回の相談時間は30分が相場で、例外的に60分まで無料や、何度でも無料という事務所もあります。

民間の法律事務所の最大のメリットは、丁寧に相談にのってくれて、踏み込んだアドバイスをもらえる点です。

法律事務所はあくまでも「商売」のために無料相談サービスを提供しています。

あなたは「お客様」であり、あなたからの依頼を獲得したい前提で弁護士も相談にのります。

そのため、丁寧に対応してくれますし、依頼したい!と思わせてくれるような踏み込んだアドバイスも期待できます。

相談方法も多様で、市役所などの公的機関にはないLINEによる無料相談なども広く受け付けています。

弁護士への依頼を視野に入れ、踏み込んだアドバイスをもらいたい方には、民間の法律事務所での無料相談をおすすめします。

11.すべての相談窓口と併用できる『マチベン法律相談』

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法テラスや他の無料相談窓口は、便利な一方で、いずれも「予約制」のため今すぐに相談できないという問題を抱えています。

そこで、これら無料相談と並行して『マチベン法律相談』サービスを使うのをおすすめしています。

「マチベン法律相談」は、スマホから弁護士に無料相談できるQ&Aサービスです。

【マチベン法律相談のメリット】

  • スマホ完結なので気軽に相談できる

  • 24時間いつでも、何度でも質問できる

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24時間どんな場所からでも、また何度でも相談できます。

完全無料で使えるので、法テラスへ相談に行く前でも、後でも、一度ぜひご活用ください。

『マチベン法律相談』で弁護士に無料相談する

よくある質問

法テラスの無料相談を含め広く法テラスに関しよくある質問をまとめました。

Q

法テラスは無料相談は何回までできますか?

法テラスでは、同じお悩みにつき、30分×3回(合計90分)まで弁護士に無料相談できます。「異なるお悩み」を相談する場合には、3回のカウントはリセットされるので、改めて3回無料相談できます。なお、一日に相談できる回数は原則として1回までという制限があります。その日に連続して2回・3回と相談できるわけではないことには注意が必要です。

Q

法テラスを利用できる条件は?

法テラスの無料相談を利用するための条件は、(ⅰ)あなたと配偶者の手取り収入・審査が一定の基準額を下回っていることを求める「資力基準」、(ⅱ)あなたの相談目的が「民事法律扶助の趣旨」に合致することの2点を満たす必要があります。これに加えて、代理援助・立替払いのサービスを利用するためには、(ⅲ)「勝訴の見込みがないとはいえない」という条件を満たす必要があります。

Q

法テラスを利用するデメリットは?

法テラスを利用するデメリットは、(ⅰ)持ち込み方式の場合を除き、弁護士を選べないこと、(ⅱ)「資力基準」をはじめ条件を満たした方しか利用できないこと、(ⅲ)さらに代理援助・立替払いサービスを利用する場合、審査期間(2週間〜1ヶ月程度)の待ち時間中は、弁護士が動いてくれないことです。

まとめ

「法テラスは本当に無料?」の疑問に答えるところから、法テラスを利用するメリット・デメリット、予約方法までを解説してきました。

最後に改めて、これまでの解説を整理します。

法テラスで無料になるのは、あくまでも法律相談のみです。

無料相談が「どこまで」できるかについても、法テラスでは30分×3回(合計90分)まで無料で受け付けています。

法人はダメですが、個人は利用条件を満たす限り「誰でも」利用できます

民間の法律事務所で相談した場合、30分5,500円かかることを考えると、いかに法テラスがお得なのかわかります。

弁護士に依頼する際の弁護士費用までは無料になりませんが、弁護士費用の価格が相場の約50〜70%OFFになる点も魅力的です。

しかも、法テラスの書類審査を通れば「立替払い」をしてもらえるため、初期費用0円で弁護士に動いてもらえます。

返済条件も優しく、毎月5,000円または1万円の分割払いで済みます。

無料相談のほか、相談後のこれら手厚いサービスを提供する法テラスですが、デメリットもあります。

弁護士を選べないということです。

相性や専門性は時として安さよりも大事な要素になります。この点が不安な方は、弁護士を選びつつ無料相談できる「持ち込み方式」の利用をおすすめします。

持ち込み方式では、契約弁護士名簿もしくは「ひまわりサーチ」から、法テラス契約弁護士を探し、気になった事務所へ電話予約しましょう。

他方で、弁護士を探すのが面倒だという方は、下記の法テラスサポートダイヤルか「お近くの法テラス」記載の最寄りの法テラスへ電話しましょう。

【法テラスサポートダイヤルでの予約】

電話(予約)

0570-078374

予約受付時間

・平日:9時~21時

・土曜:9時~17時

(日・祝日・年末年始不可)

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